「卒業証書、授与。」 司会の先生の、いつもより静かな温かい声は、あたしの心にスゥーッと染み込む。 ゴールはすぐそこまで来ていた。 後ちょっと。 後ちょっとで終わる… 隣に座ってる子はもう泣いてる。 クラス替え直後、もうさっさと卒業したいって言ってた子だった。 つい最近、やっと楽しくなってきたのになって寂しそうに笑ってた子だった。