春、恋咲く。〜旅立ちの日〜

「なぁ、みなみたちも書いて。」


お互いのアルバムを交換しあっていたあたしたちに、そう言って声をかけてきたのはアイツ。


“たち”ってあたしも入るの?


そんなことを考えながら、チラッとアイツを盗み見る。


見上げたアイツは何だか緊張したようなそんな感じで。


そんなアイツを見てると胸が痛んだ。


「ほら、最後じゃん?せっかくだからさ…」


「あぁ、だねぇ。」