春、恋咲く。〜旅立ちの日〜

「あ、愛理、これ書いて。」


物思いに耽っていたあたしに差し出されたのは、朝配られた卒アル。


周りを見れば、みんなお互いの卒アルを交換してメッセージを書きあっていた。


「早く!昼休み終わっちゃうよ。」


「あ、じゃああたしのもお願い。」


ペンを取出そうと筆箱を開けると、文集に使ったペンが目に入ってきて


もう一週間で卒業かぁ…って改めて思う。