春、恋咲く。〜旅立ちの日〜

「高校でもバスケやるんだろ?」


座って見学しているあたしの横に腰をおろし、顔を覗き込んでくる。


死近距離で目が合って体温が上昇するのを感じたあたしは、慌てて顔を背け試合を見ているフリをする。


「…どうかな。まだ、わかんない。」


「は?やんないの?

何だよ、続けるんだと思ってたのに…」


曖昧な返事をするあたしに驚いたような、落ち込んでるような、そんな顔をするアイツ。


予想外の反応に戸惑いながらも、平然を装う。


「…ちょっとね。」