春、恋咲く。〜旅立ちの日〜

そんなに怒んなくてもなぁ…なんて思いつつ眺めていると、後ろから声をかけられた。


「香山、ナイスシュート。」


「へっ?あ…」


顔をあげた瞬間、とくん…と胸が弾む音がした。


「すげぇな。引退してもう半年なのに体全然鈍ってないじゃん。」


みんなに話し掛けるみたいに普通に会話を振ってくるアイツに、ポーカーフェイスで対応するけど、ぶっちゃけ心臓はばくばくで。


2人で話すことがないってわけじゃないけど、話し掛けられるとやっぱり結構緊張する。