「はぁー…」


高校受験の波が去ったあたしたちの教室には、一部の女子のため息と、やんちゃな男子の騒ぎ声が混ざり合っている。


昨日公立の高校に合格したばかりのあたし。


人生初の大波を乗り越えたはずのあたしは、ため息を繰り返していた。


ギャーギャー騒いでは走り回って。


男子はかなりガキだ。


何でそんな気楽でいられるんだろう?


そんな風に感傷的になっているあたしの視線の先には、アイツ。


「拓斗、今日カラオケ行こうぜ?」


「おう。」


「あ、俺も。」