遅い初恋

「こういう時ばっかり先輩って呼ぶよな。いつも新くんなのに。まぁ、いくら甘えても俺には効かないよ~」

海砂は、頬っぺたをふくらませて新を見た。こうなったら健二を抑えるしかないと立ち上がろうとした。すると、

「ダーメ!海砂は俺と一緒に座ってようなぁ☆」

いきなり後ろから捕まえられた。

「ちょ、ちょっと~放してよ~」

海砂は暴れるが高校生の男子からそう簡単に逃げられるわけがない。それどころか海砂は、すっぽりと新の腕の中に納まってしまった。