遅い初恋

「でも楽しかったからいっか」

「そーだね」

それから2人は部室へと向かった。あまり休みのない野球部。今はシーズンオフだがそんなの関係ない。部室に行くと部員はみんな揃っていた。

「マネージャー遅いぞ~。男だけじゃムサいんだから」

「ごめんね、新くん。ちょっと用事があって・・・」

「何々用事って?」

「う~ん・・・」

『説教されてた』なんて正直言いたくない。そんな海砂たち乙女(?)の心を読めない、同じクラスの野球部員・坂下健二。

「こいつら、神崎に説教くらってたんですよ」