中学3年生の半ば急遽家を田舎に建てると言われ隣りの市へ引っ越しする事になった。私は途中で志望校を変えなければならなかった。私の中学からその高校へは私1人だけだった。無事合格し晴れて女子高生となった私は毎日が充実していた。学校から家までは10キロあり自転車で通学していたが私の過去を知っている人がいないから苦ではなかった…
ところがそんな平和な日々にも事件は起きた。帰りが遅くなり小雨の降りしきる中薄暗くなった帰り道、家路に急ぐ途中それは起きた。他校の男子学生5〜6人位がいきなり周りを自転車で囲み「名前なんて云うの」と絡んできたのだ。見るからに髪は金に近い茶髪でヤンキーそうろうだった。怖かったので無視して自転車を走らせていたら「シカトすんなよ」と自転車ごと蹴られ転んでしまった。それから………………………………
気が付いた時にはスカートの裾はほつれ制服も顔も泥まみれだった。余りの恐怖にその時の出来事は未だ思い出せない。震える手で自転車を起こしやっと家まで帰り付いた。帰ると母親がビックリした様子で「どうした?」恥ずかしくて親には言えずただ自転車ごと転んでしまったと嘘を付いた。泣いていたが雨が降っていた為気付かれたかどうかはさだかではない。それからすぐお風呂に長時間入った。その夜ベッドの中で声を殺して泣いた。そしてひたすら願った。妊娠しませんようにと…。次の日、学校へ行くのが怖かった。嫌だった。でも親に知られるのが一番嫌だったから何もなかったかのように学校へ行った。おじいちゃんといい男子校生といいこの当時から男性恐怖症となっていった。もちろん彼氏など出来るハズもなかった。