3年生になりクラス変えがあった。小さな学校。クラスの3分の1は元のクラスメート。運悪く私をいじめていた男の子も同じクラスだった。ゴミを投げられたり引き出しの中の教科書、筆箱の中の消しゴム…隠される事は頻繁だった。すぐ泣く私にみなストレス発散を得ているように思えた。そんなある日、いつものようにいじめられ机に突っ伏して泣いていたら坂元君に「こいつ五円ハゲが出来てる!かっぱや、こいつのあだ名はかっぱや」と言われそれからみんな私の事をかっぱと呼ぶようになった。家へ帰り母に「私、学校でハゲが出来てる言われたけど出来てる?」母は念入りに私の頭を探って「あら、本当。何で出来たんやろか?あんた悩み事でもあるの?ツムジ付近に10円位のハゲが出来てる」と言われた。本当だったんだ。母はいじめられるといかんからピンで隠しとこうねって言ってピンを留めてくれた…が既に遅かった。「コイツかっぱや」クラスの誰もが知っていた。私は耐えられず親に思い切っていじめられてる事を話した。返ってきた答えは「あんたが泣き虫やからいかんのや。立ち向かったらいい。お父さんとお母さんの子や」。無理に決まってる。何にも知らんからそんな事言えるんだ。それから親には何にも話さなかった。しばらくして私を最初からイジメていた男の子が転校していった。嬉しかった。親も私の知らない所で先生に相談していたらしくそれからいじめは減っていった。小学5年生の終わりだった。