「羽山…様?;」



「はぁー…
彼女はいないよ」


そう言って
軽く微笑むと


女子生徒は
頬を赤くそめ


失礼しますと言って
走って行ってしまった。




「秋人?」


「ん?」


「守山さんが
 彼女なんじゃないの?」


「あ・・・」


そうだ

こいつに言ってしまってたんだ


俺が守山と付き合っているって言う嘘を



俺って最悪な奴?


好きな奴を知っていて

そいつの前で誤解を招くような事を言って・・・。



守山はあの時
俺の事どう思った?


俺が今思ったように
最悪な奴って思ったのか?



それでも俺は・・・


「秋人?」


「守山は俺の彼女だ」


口が勝手に動く


「・・・・うん」


いつも安心するはずの
明の笑顔に


今は少し心が痛んだ