「い、いえ別に……」

 子吉沢は中傷の内容を話す気がなかった。正直そっとしてほしかったのだ。

「座れ」

 と、大佐古教諭は言った。
 
 墨丘は何も言わない大佐古教諭が不満らしく、口を尖らせていた。

 子吉沢は黙っていた。

 休み時間になると、真猿たちは陰口を言っているが無視した。

 墨丘は気を使って話しかけることはなかった。