「ゴメンね。そんな事情知らなかったら……」

「もう、いいよ」

「それじゃ、明日から一緒に勉強しようよ」

「でも……」

「明日、オウチに行くから、待っててね」

 子吉沢は断ろうとしたが、すでに墨丘は背中を向けて歩いていたので、追いかけなかった。明日きたら追い返せばいいのだ。