空が白みはじめた頃、私たちはお互い家に帰る事にした。

別れ際、すっかり忘れていたミツキの事を思い出す。
うわ、どうしよ。あこ、何も聞かなかった事にして。

「いや。大丈夫。…なんとかなる!」

はっはっはっは…と笑い、じゃあね〜と手を振りながら去っていくあこの背中は、無駄に逞しく見えた。


一体何をするのか気になるけれど、本人がああ言うのだから任せるしかない。

自分の非力さを痛感しながら家に向かった。


行きは不気味な程軽かった足は、今は地面にしっかりとくっついている。

これから私は死ぬまで生きて、世界の終わりを見届けなくちゃならない。
だから、家庭に絶望している場合じゃないのだ。