「勝負するか!!」

そう言ったのは、話がやっと途切れた頃。
気づけば俺たちは、もう4時間も喋っていた。

「勝負...?」
「あ、やったことない?」
「うん、始めたばっかりだから...」
「分かった、じゃあ練習っつーことで。下手に勝負仕掛けてくる奴も時々いるし」

「別にのらなくてもいいんだけど」と付け足すと、「でもやってみたいな」と彼女は満面の笑みで返してくれた。


「バトルのサインはこう」
と、手をつきだした。

「こう」と続けて女も俺の真似をした。

「そうそう。んで...」
「あ、そこからは見たことあるよ。技必要だよね」
「まあな。いっちょやってみっか!」
「えっ...えええ!?」


いきなりの提案に驚きながらも、女は快く車に乗った。