「じゃあさ、中学どこだった?結構近い?」

そんな話になった。

「うーん...近いよ、ここから」
「マジ!?俺も俺も!どこ中!?」


それから女は「うーん」と頭をかくと、

「秘密」

そう言った。


「え?」
「ふふ。それは言えない。ごめんね」
「なんでだよ~っ」
「それより向平くんの話が聞きたいな。私の話面白くないから」
「...あれ、俺名前言ったっけ?」
「あっ...うん。最初会ったときに言ってくれたよ」

言われた直後はそうだったか、と軽く受け流した。


言ってないことに気づいたのは、二人が別れてからだった。