「まぁ、落ち着け」



ふわっと良い香りがしたと思ったら、振り上げてた腕が抑えられていた。



『じゃぁ、夏樹はどっちと行きたいんだよ!!』



(あれ?押されたことに怒ってたんじゃねぇの?)

心の中でそう思う夏樹であった。



「フンッ。…おい、ブリ子」


「いやんっ。夏樹君、そんな名前で呼ばないでっ?」


……ブリ子って、Mか?




「すまねぇが、俺はこいつらと行く」





きっぱりと言い放った夏樹の指は、しっかりとあたしの指している。



「人を指差してはいけません」


涼の声が聞えたが夏樹はクールにスルー。



「な、なんで…!?」




ブリ子がきくと、夏樹はフッと不敵の笑みを浮かべて言った。