「……どうしても…ダメ……?こんなに大好きなのに…?」

「優ちゃんみたいな子が好きになってくれるのはホントに嬉しい。でも…俺は一人しか選べないんだ…」

空を…

俺は空を選ぶ…


世界でたった一人

愛する人として…





「………、な~んてね!じょうだんっ!ドキドキした?」

突然体を剥がすように離し、落ちた水着を着直す。


「いくら海くんでもこんな色仕掛けにはひっかからないかぁ!ざ~んねんっ。さ、早く戻ろ?」


何事もなかったかのように更衣室を出て行く優、途中何度か人がいないか確認したりしていたが、

一度も目を合わせることはなかった。




たまに大地に言われる

《お前を好きになって後悔する人は結構いる。付き合えないのに好きでいることは、かなり辛いんだよ…》

もちろん俺が悪いとは大して思ってはいない。
好きになるならないは本人の責任でもあるし、俺が好きにさせたわけでもない。


しかしそれでも罪悪感はある。

どうしようもないことは分かってる。

だから気にしないようにしていた。


今こうやって考えさせられるまでは…