途中何度かプール点検を兼ねた休憩をはさみ、ようやく太陽は真上に到着した。

シートに戻るとすでに冬真と木乃香は座りこんでいた。
大分慣れてきたのか、若干木乃香との距離が近い。

「や、おかえ…、あれ?水江さん?」


解散前にはいなかったクラスメート、大して驚きはなかったものの、すぐに五人座れるよう場所を広げた。

「ありがと。さっき偶然海くんたちに会ってね、私もお昼一緒しちゃうけど大丈夫かな?森さん。」

優のスタイルに唖然とする木乃香は、ハッとして後ろの持参カバンをあさる。


「あ、うん。もちろん、でも…私お弁当作ってきたんだけど、四人分だから足りるかな?」

おっきなバスケットタイプの弁当箱二つと水筒を出す。
少ないとまでは言わないが、正直足りないかもしれない。


「あ、じゃあ私なんか買ってくるね?海くん一緒来てくれる?」

「あぁ。空、財布貸して。ついでになんかいる?」


『アイス!って言いたいけど溶けちゃうからね、とりあえずは無し。』

3000円だけ入れた偽財布(本命はロッカーの中)を受け取り、優についていく。