「なぁにやってんの?海くん。」

プールサイドに寄りかかって空を待っていた俺の斜め後ろ、尻をつけない体育座りをした優がいた。

もうちょい首をずらせばいいものが見える…。自制心を強く持ち、プールに視線を戻す。

「な~んにも。塩の入った水風呂に浸かってるだけ。」

「もうこれ授業じゃないよねぇ。」

軽く笑いながら気の抜けた顔をする。

「てか、さっきから全然プール入ってねぇじゃねぇか?なんのために水着着てんだよ。」


「あはは、最初は入ろっかなって思ってたんだけど、髪が痛むのがイヤだったから…」

「後でちゃんと真水で洗ってよく拭けば影響ないぞ?ま、無理に入れとは言わないけど。」


ビート板を奪われ、バスケ部女子によるスクエアパスで弄ばれている空を見ながら軽く苦笑。

直後、そのかわいさから想像だにしないジャンプ力を発揮した空が、空中でビート板を取り返した。


「おぉ…。さすが…。そう…いえば、さ。海くん…」

「ん~?」


「私の…その、水着?…似合って…るかな?」