運命の歯車-不思議の国のアイツ-



「・・・カジモトさんの知り合いだったのか・・・。」



レイジは、ジュンを見る。



その表情は、どこか懐かしいような、今までの緊張した表情とは、まったく別物だった。



「カジモトさんの代から紅蓮にいるのか?」



ジュンが、レイジを見る。



「ああ、俺は、カジモトさんに憧れて、紅蓮に入ったんだ。・・・あの人は・・・本当にかっこよかったんだ。」



まるで少年が憧れたものを見たような表情になるレイジ。



「確かにな・・・。」



ジュンもレイジに同意した。



「・・・その先代は、どうしたんだ?」



コウが、ジュンとレイジの会話に口を挟んだ。



「・・・今の総長と幹部連中に裏切られて・・・。」



レイジは、悔しそうに声を搾り出した。



「・・・酷い怪我でな。・・・今は、どこか遠くの病院にまだ入院しているって話だ。」



ジュンも、残念さを押し殺したような声で答えた。



「・・・何で、レイジは、それなのに紅蓮をやめないんだ?」



「・・・やめないんじゃない・・・やめられないんだ。」



悔しそうにつぶやくレイジ。



レイジの言葉に他の紅蓮の4人もそれぞれが、うなずいたりして同意を示していた。



「・・・コウ。族は、やめます、で簡単にやめられるものじゃない。当然、やめる時は、それなりの代償を求められるのさ。」



いまいちレイジの言葉の意味を図りかねているようなコウに、ジュンが、言葉を付け足した。



「・・・代償・・・か。」



ジュンの言葉を聞いて、ようやく、コウは、レイジがやめられない理由がわかった。



紅蓮をやめるには、酷い暴行を受けるのだろう。



それも、先代の紅蓮の総長が、未だに入院していることを思えば、その酷さは、想像に難しくない。