マイが、朝、コウに電話をした日の昼休み、リョウは、屋上で一人、空を見上げながらたたずんでいた。



空は、雲ひとつなく晴れ渡っており、風も、冬に近い春というよりも、夏の訪れを予感させるものへと変わっていた。



そんな景色を眺めるリョウの瞳も、以前のような迷いは消えうせ、真っ直ぐにひとつのことを見つめる澄んだ瞳へと変化していた。



まるで今、リョウが見上げている雲ひとつない空のように・・・。