「ところで、あそこのベンチに座っているのは、コウくんの彼女?」



アユミが、マイに視線を向けて、コウに尋ねた。



「ち、違いますよ。ただの中学の友達ですよ。」



顔を赤く染めて、焦りながら答えるコウ。



そんなコウを見て、アユミは、微笑む。



「そんなにムキに否定しなくても大丈夫よ、コウくん。・・・・ジンくんには、言わないから。」



「だから、違いますって!」



コウは、苦笑しながら否定した。



「・・・・ちょっと疲れちゃったから、私も、あのベンチに座らせてもらおうかな?」



急にアユミが言った。



「えっ、別にいいですけど・・・・大丈夫ですか?」



コウは、不安な表情になり、アユミを見つめた。



「大丈夫よ。少し疲れただけ。」



「それじゃ、買い物袋は、俺が持ちますよ。」



「本当?それじゃ、甘えちゃおうかな。」



コウは、アユミが両手に持っていた買い物袋を持つとアユミと一緒にマイとマサヤのいるベンチへと歩いていった。