心地いいような、やっぱり悪いような。



やっぱり廉さんは廉さんで、フロアへ戻ると得意の大きな手で思いっきり頭をつかまれ、ブンブンと揺さぶられた。



「遊びじゃねぇんだぞ。コノヤロー」


「すいません、すいません」


「仕事に集中しろ」



やっと離してくれた手は、最後にポンッと軽く頭の上に乗った。



これも廉さんの優しさ。



厳しいけど、どこか優しさがあって。



そういうところがまたアタシの心をくすぐる。



去っていった廉さんの後を追って、アタシもまた作業を始めた。




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