早く泣き止まなきゃ。 今日で最後かもしれない道のりを1人とぼとぼと歩く。 『よぅ、見習い』 そんな声も今日は聞こえない。 あの声にどれだけ助けられた事か。 健ちゃんと別れたばかりなに、廉さんの事を考えてしまうなんて。 不謹慎な自分が嫌だ。 本当は辛いはずなに、なぜか心はすっきりしてて、涙もいつの間にか止まってた。 誕生日、一緒に過ごしてくれた廉さんの存在がどれだけ大きかった事か、今のアタシはまだ気付いていなかった。 .