好き。 好き…。 好き……。 そう想えば想うほど、握る手の力も強くなる。 「どうしたんだよ」 廉さんに伝わってしまう程だった。 でも、隠し通さなきゃいけないんだ。 「…なんでもないです」 「不安か?」 「え?」 「顔を見たらわかる。あの時と同じだ」 あの時というのは、きっと健ちゃんと色々あった時の事だろう。 「大丈夫ですって。早く上まで行きましょう」 さっきまでの表情は何だったかのように、とびっきりの笑顔を見せて廉さんの腕を引っ張った。 .