目頭が熱くなるのをグッと堪え、廉さんに満面の笑みを見せる事ができた。
「お前にはその顔が似合ってんだよ」
頭をブンブン揺らしてる手に何かが見えた時、
「やるよ」
言って、アタシの頭から目の前を通り過ぎ、手のひらに落ちてきた物。
「ストラップ?」
可愛い季節の花をモチーフにしたストラップだった。
「それじっと見てたろ。旅行のとき」
雪菜さんとお土産屋さんにいた時に迷ってたやつだった。
迷った末に買うのをやめたストラップ。
まさかこんな形で手にするとは思ってもいなかった。
「ありがとうございますっ!!」
「飴の返しだ」
「う、うれじぃ…;;」
「泣くんじゃねぇよ。またブサイクになるぞ」
堪えていたはずの涙がどんどん溢れ出てきた。
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