カッコいい内装にオシャレな音楽。
ハンドルを握る廉さんの大きな手。
そして隣には大好きな人。
そこは最高すぎる空間だった。
「俺の運転がそんなに気になるか?」
「え!?」
「また目線バシバシ感じたぞ?」
「…すいません」
いけない、いけない。
また無意識のうちに見つめちゃってる。
でもちょっと酔ってるせいか、またいつもよりも口走ってしまう。
「言ってみ?何が気になるんだ?」
「手…です。廉さんがハンドルを握る手が好きなんです」
「この手が?変なやつ」
どうして好きなのか、自分でもわからない。
多分、手を握ってくれた時や、頭に手を乗せてくれた時に感じる安心感とかじゃないかな。
とにかく、手が好き。
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