「廉さん、ご飯連れてってください」


「はぁ?」


「だから〜、ご飯ですよ!ご飯!」



もうこうするしかない。



アタシの頭じゃ、この方法しか浮かばないもん。



「なに企んでるんだ」


「企んでなんかないですよ。ね?行きましょう」


「わかったよ。手繋いだ仲だしな」

「ちょっ…しーっ!」



小さい声で言ってくれたけど、もし奥にいる店長に聞かれちゃたりしたらマズい。



一気に火照った顔を抑えるアタシに、



「顔、真っ赤じゃねぇか」



そう言って、からかい気味に笑いながら席を立った。



「メシ忘れんなよ。連れてってやるから」



自分のカップを持って、店長がいる奥の部屋へと入っていった。




.