「雅さん、さっそくタイムを計りたいの」

「はい」

「じゃぁ、そこのラインからスタートしましょう」

「雅お嬢様頑張ってくださいっ!!」

「頑張れよぉ~っ!!」

「うんっ♪」

私は中学の頃日本大会ベスト8に入る位の選手だった。
走りだけには自信がある。

「位置について、よーいっ・・・」

パンッ!!

ダッッ

スタートはいい調子。
足も軽いし・・・。
軽く6秒はいけるかな?

ゴールっっ

「「速い・・・」」

みんなが口を揃えて言う。
いや、普通ですよ?
私的には貴方達の身体能力が知りたい・・・。

「雅さん・・・速いわねっっ!!」

「いえ・・・それ程でも、何秒でしたか?」

「5秒87よ」

うん、神経鈍ってない。
この頃走ってなかったから心配だったんだぁ♪

「雅さんは我が部の期待の選手ね♪」

「ありがとうございます」

「よかったですね、お嬢様!」

「雅、以外と速いんだな」

「以外は余計よ!」

「いや、ホント格好良かったよ!雅もやれば出来るなっ☆」

そういって貴羅は私の髪をグシャグシャと撫で回した。

ドキッ・・・

・・・何、これ。
私なんで緊張してんの?
意味分かんない。

「も、もぅっ!髪が乱れるでしょっ!!」

「ははっごめん、ごめんっ!!」

何で?
何で!?