足音は私がいるお風呂場の前で止まった。


ガラッ――


「!!!!!」


怖い時は声が出ないって言うけどほんとにそうなんだ。

体も動かなくてただその場にうずくまることしかできなかった。



「あ……あれ?

すみません!トイレだと思った。」


慌てる男の声。なんか聞き覚えがあった。


怖くて俯いていた顔を恐る恐る上げる。