「おめでとう!!」

 学校に着くと、いろんな友人にお祝いの言葉を投げ掛けられる。
こういうのはやっぱり嬉しかったりする。

「はい。プレゼント!」

「ありがとー!!」

 中学からの友達の七海が掌サイズの袋を差し出す。
 ピンク色の袋に黄色やオレンジのリボンが結ばれていた。

「開けてもいい?」

「どうぞ!」

 七海は手を後ろで組んでにこにこと笑う。

「…かわいい」

「ふふふ。似合うと思ってさ」

 袋に入っていたのは銀のチェーンに金色の星を型どったものが通されたネックレスだった。
星っていったらどこか子どもっぽい感じだけど、これはどちらかと言うと落ち着いた感じで、高2になった今でも十分使える。

「この蒼い石が綺麗。…夜空みたい」

 星の真ん中にはまるで夜空のような深い蒼色の石。

「いいでしょ、それ。だからコレにしたんだ」

 付けてみてと言われ、ゆっくりと石を見ながら付けてみた。
隣では七海がニコニコと笑っていた。

「…ありがと。大事にするね」

 私は星を手に握って形をゆっくりと確かめるように撫でる。

「おーい。ホームルーム始めるから席つけよー」

 担任のやる気のない言葉に私たちはアイコンタクトで笑いながら席についた。

 私は先生の言葉を聞き流しながらネックレスを眺めていた。