「つか、ウメお前笑い過ぎだから」

「あははは!ごめんごめんっ」

「えー、俺傷付いたわー」



むっと子供みたいに唇を尖らせて、そっぽを向くジョウ。



「え、えぇー?」



困ってオロオロする私を、ジョウはちらと横目でみた。



「ジョ、ジョウ…?」

「………」



シカト。

完全なる、シカト。



「……………」



無視を決め込むジョウの背後に私は「つーん」なんて効果音を見た気がした。



……なんていうか……



「か…っ!」

「……か?」



思わず声に出てしまう。

どうしようもなく頬がゆるむ。



「…〜〜っ可愛いっ!!」



言うだけ言って、私は机に突っ伏した。



「………は?」



ぽかん、って言葉がぴったりな顔をしたジョウが

なんとも間抜けな声を発す。



「ジョウ…拗ねてるの…っか、可愛いっ!!」

「え…は、ぇええ!?」

「か、かわいぃ〜」



机に突っ伏したままで悶える私。

頭上からは、



「いや、可愛いって…それ…なぁんだかなぁ…」



と、複雑そうな声。

にやけたままの口元を押さえながら見上げれば、眉をハの字に歪めたジョウ。



「男に可愛いって…それお前、誉め言葉じゃないだろ…」

「いや別に貶してるわけじゃないよ!?むしろ、私的には最上級の誉め言葉なんだけど!!」

「えぇ〜?」



力説するも、ジョウは嫌そうな顔のまま。


むぅー、とむくれるその姿がまた可愛くて、私は笑う。

それにジョウはまた機嫌を悪くする。


素敵すぎる悪循環だ。

最も、素敵なのは私にとってだけだけど。