「補習終りを祝して!」

琉瑠の声と共にクラッカーの音。

ここは私たち行き着けのカフェ「甘栗」

琉瑠のいとこのお母さんの妹さんが営んでいる場所。

あまり人がこないから、涼くんたちも怖がられなくって安心なんです。

「あれ、もいっこ祝すことあるよ」

クラッカーを持ったまま、マスターの歌恋(カレン)さんが言う。

歌恋さんはまだ二十七歳のすごく綺麗な人で、イラストレーターをしていて、夕方五時から夜七時まで店を開けているのだ。

「…………?あっ」

舞ちゃんがひらめいて

「涼くんと菜乃ちゃんの交際を祝して!カンパーイ♪」

てに持ったジュースの入ったグラスで乾杯をした。

菜乃「えへ。ありがと」

涼「…………」

「てかなんで陸だめだったんだろ」

首をかしげる琉瑠に

「なんか合コンらしいよ」

幸くんが返事をした。