休みが終わり、俺とシゲは実験室で準備を始める。

3年生はまだ来ていない。

あっ、来た。


「あのぉ、川崎さん。」


波多江が俺に話しかけてくる。

語尾を伸ばすな、語尾を。


「ん?」


一応、優しく応えるけど。


「俺たちって、実験の補助に入るのは今日が初めてじゃないですか。だから、何かと不安なんですよ。で、できれば2人ずつペアになって補助に入るってのは、どうでしょう?」


ペア?面白そうじゃん。

俺が沢村若菜とだったら、なおさら。


「うーん、いいんじゃね?」

「ですよね?俺、茂山さんにお世話になるんで、川崎さんは若菜ちゃんの面倒をみてやってください。」


波多江、お前、沢村若菜の気持ち知ってんだろ?


「お前ら、本当に仲良いな。」


俺の前に押し出された沢村若菜は、緊張してるのか顔が強ばっていた。

こいつ、ホントに読めねぇ。

だから、面白いんだけど。