gloom of the prince〜恋する研究室〜

シゲが沢村若菜たちを連れて帰ってきた瞬間、南さんが豹変した。


「酔っちゃった。」


はぁ?

さっきまでガバガバ飲んでただろうが!

肩から頭、退けろよ。

ほら、沢村若菜が動けなくなってるだろ?

……いや、ちょっと面白いかも。


「どうしたの?座んないの?」


俺は感情を少しも出さずに沢村若菜に言った。

沢村若菜が唖然としているのがわかる。

だから、感情を出さないなら徹底しろよ。


「沢村さん、お帰り。もう、大丈夫なの?」

「もう……、大丈夫です。」


今度はムッとして答えてるのがわかる。

南さんにそんな態度とっていいのか?

後が怖いぞ。

沢村若菜の正面で橘は酔いつぶれて寝ている。

言わんこっちゃねぇ。


「ごめんね。橘くん、弱いのよ。」


そう沢村若菜に言いながら、南さんはまた俺の肩に頭を乗せる。

俺の肩は、お前の枕じゃねぇって言ってんだろうが!