gloom of the prince〜恋する研究室〜

「川崎さん、これ食べます?」

「じゃあ、貰っとく。」

「川崎さん、ビール注ぎましょうか?」

「ん?あぁ。」


南さん、お前は俺の何なんだ?

食べたいものも、飲みたいものも、自分でできるからほっといてくれ!


「ちょっと、酔っちゃったんで、風に当たってきます。」


そう言って、沢村若菜が立ちあがる。

酒は弱いのか。

下手くそな笑顔を作ると、沢村若菜は店の外に出た。

隠してるつもりなんだろうか?

素直になればいいのに。


「橘くん、飲ませすぎ。」


南さんは勝ち誇ったように高笑いをしている。

言っとくけど、俺は南さんのものじゃないからね。

……まぁ、言わないけど。


「すみません、俺、様子見てきます。」


波多江も沢村若菜を追って立ち上がる。

って言うか、3年生いなくなっちゃったよ、歓迎会なのに。