「先輩、お昼は食べないんですか?」


相変わらずわけのわからない質問をしてくる。


「もう食べたよ。」


とりあえず答えるが。

これ以上、会話が続かなくなるだろ?

俺はじっと外を見つめる、何もないけど。


「先輩、何見てるんですか?」

「空。」


ごめん、その質問はさすがに広げられない。

だって俺、別に何も見てないから。


「先輩……。」

「ん?」

「……何でもないです。」


何だ?緊張してんのか?

会話が続かなくなると、何となくで俺を呼ぶ。

そう言えば、好きって何?のときも先輩って言ってたな。

ダメだ、俺にはわかんねぇ。

面白すぎる。

堪えきれない笑い声がこぼれた。


「あのさぁ、そんなに緊張しなくていいから。」


俺は振り返って沢村若菜を見上げる。

おっと、顔が赤くなった。


「そんなキャラじゃないだろ?実験のときはもっと無遠慮だった。」


そんなんじゃ、俺のこと好きですって言ってるようなもんだ。

バレバレなことに気づいてるか?