野球少年と彼女と私


「向井先輩の彼女さんですよね?」

私の言葉に向井先輩の彼女はビクン!と体を震わせた。


けれど、向井先輩の彼女は私を見ているようで見ていなかった。


私は訳も分からないまま

「可笑しいと思います。そうゆう事、するなら、別れてからやったらどうです?
向井先輩いながらそんな事、―――私なら、絶対しません。」


私は目が合ってる様で合ってない向井先輩の彼女をしっかり見た。


けれど、向井先輩の彼女は口をパクパクしていて

「こ‥コウ‥‥キ‥!」

と微かに呟いた。



「‥‥‥え‥」


「てめぇとは終わりだ」
突然私の背後から聞こえたのは


紛れも無い向井先輩の声だった。