忘れないよ





はぁ・・・ったく、アイツ・・・。








ピンポーン








隣の家のチャイムを鳴らした。








「たーつー、早く出て来いっつーの」








ガチャンッッ








「おっせーぞ!」








幼なじみの、竜。








ちなみに福原 竜哉(フクハラ タツヤ)








さっきのメールは、竜から。








「うっさいな・・・、早く行くよ」








「おまっ、待てよ!」








竜はあたしの腕をグイッと引いて・・・。








「んっ・・・」








・・・キスをした。








「おら、行くぞ!」








・・・キスは、たまにされる。








中途半端な気持ちでするのやめてほしいんだけどな。








・・・あたし、竜のこと好きだから・・・。








「分かってるよ・・・」








あたしはスタスタと歩きだした。








「・・・梓紗!」








いつの間にか、竜を追い抜かして・・・。








「何」








「キスで怒ってんの?」








あたしの所まで来ないで、数メートル先で叫んでいる。








・・・それには、理由がある。








「別に・・・そんなことない」








「ならなんで怒ってんだよ」