「思い付く人とか・・・」
「いません」
「例えば、雪菜さんに恨みを持ってる人とか・・・」
「そんな人・・・」
「雪菜さんの前の彼氏とか、
ほら、雪弥くんのこと・・・「っ、いない!!」
雪菜の髪を撫でる手を止め、叫んだ。
「雪弥くん?」
「俺達には約束がある。
高校卒業するまでずっと一緒にいるって・・・
それまでは、彼氏も彼女も作らない。
雪菜だってその約束は覚えてる・・・。だから元カレなんていない!!!!」
今まで冷静だった雪弥が・・・突然こんな風に叫んだ・・・。
正直言って、こんな風に叫ぶところ初めて見た。
「・・・雪・・・?」
「あ・・・、ごめん、起しちゃって・・・」
「ううん、いいの。
・・・どうかしたの・・・?」
「何でもないよ。
・・・もう眠れない?まだ、話し終わってないけど」
雪菜には、いつもの優しい笑顔を見せる。
さっきの・・・何なの、あれ・・・


