忘れないよ










キーンコーンカーンコーン...








「ぁ」








「梓紗、マジでいいのか?」








「しーつーこーい。いいよ」








「さんきゅーな!」








竜の笑顔に、心臓が高鳴った。








・・・瞬間








ガシャーーン








「いやぁぁぁぁぁ!!!!」








「何!!?」








何かが割れる音と、雪菜の叫ぶ声が聞こえた。








「窓が・・・割れた?」








「とにかく、行ってみよう!!」








雪菜の声も聞こえたし・・・。








ガラッ








そこには








「ゆ、きな・・・?」








割れた窓の破片、








片目を手で押さえてる雪弥、小さく震えている雪菜がいた。








「あっ・・・梓紗・・・っっ」








「雪菜っ!」








雪菜と雪弥に駆け寄った。








「雪・・・雪が・・・」








「何があったの!?」








「梓紗、落ち着け。
とりあえず、雪弥は保健室に行こう」








「あ・・・あぁ」








顔をしかめて立ち上がった雪弥の目からは、大量の血。








「梓紗と清水も、行こう」








こんな時でも冷静でいられる竜は、すごいと思った。