「美月…」
片腕でぎゅうっと抱きしめられる。
「なつ、き?」
チラッと那月の顔を伺い見る。
「…ちょっと、寄らせて」
そう言って、那月は学校とは逆方向に曲がった。
「え…?」
着いたのは綺麗なレストラン。
「さ、降りて…お姫様」
ドアを開けてくれた那月がすっと手を差し出してくる。
なんだかさっきのことがあってか手を差し出しづらい。
私がおどおどしてると、那月はクスッと笑って私を抱き上げた。
「ひゃあっ!」
「ふふ、もう二回目だよ?まだ慣れない?」
「慣れるわけないよっ!」
私は落ちないように那月の首にしがみつきながら言った。
「あ、ほら!みんなお姫様を迎えてくれてるよ♪」
え…?


