ふわっと体が浮いた。
「ふふっ、美月ちゃん軽いね~」
私を抱き上げたまま、那月が言った。
もちろん、にっこり笑顔で。
ってか…顔近すぎ…!!
抱き上げられているから、さっきより那月の顔が近い。
「はい、お姫サマ♪」
那月はそう言って私を助手席のシートにおろした。
「あ、ありがと…」
恥ずかしくて、ついどもってしまった。
「全然!ムーンはシートまでが高いから座りにくいんだよ」
そう言いながら、那月は軽々とシートに座る。
やっぱ男なんだ…
と、改めて実感した。
「じゃ、案内してもらっていい?」
コンビニの駐車場を出て私の方を見る。
「あ、うん!えっとね、まずそこを左に曲がって…」


