【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。

 
「そのカード、ずーっと大事に持っておきなさいよ。ドールからのメッセージでしょ?」

「・・・・あ、はい」


松田さん、どう思ったかな。

わたしと同じように“偶然”に驚いたりしてくれたかな。

だったら嬉しいんだけど・・・・。


「さぁ、みんな!書けた人からじゃんじゃんバッグに入れてちょうだいね!まだまだ営業時間よ!」


店長の声が響き渡る。

きっとこれ、店長なりのフォローの仕方なんだろうな。

そう言いながら、まだ金縛りの松田さんに早くカードをしまうようにと目配せしていた。





そうして、わたしのバッグの中には、みんなからのメッセージカードがたくさん入った。

店長の手で再び手首にかけてもらうと、心なしかちょっと重くなったように感じて・・・・。

わたしは、みんなからの“愛”の重さに感無量になった。


ドールとしての幸せをこんなに感じたことは今までになかった。

これも全部、松田さんのおかげ。

みんなに“わたし”を紹介してくれた松田さんがいたからこその、とびっきりの幸せなんだよね。