「そのカード、ずーっと大事に持っておきなさいよ。ドールからのメッセージでしょ?」
「・・・・あ、はい」
松田さん、どう思ったかな。
わたしと同じように“偶然”に驚いたりしてくれたかな。
だったら嬉しいんだけど・・・・。
「さぁ、みんな!書けた人からじゃんじゃんバッグに入れてちょうだいね!まだまだ営業時間よ!」
店長の声が響き渡る。
きっとこれ、店長なりのフォローの仕方なんだろうな。
そう言いながら、まだ金縛りの松田さんに早くカードをしまうようにと目配せしていた。
そうして、わたしのバッグの中には、みんなからのメッセージカードがたくさん入った。
店長の手で再び手首にかけてもらうと、心なしかちょっと重くなったように感じて・・・・。
わたしは、みんなからの“愛”の重さに感無量になった。
ドールとしての幸せをこんなに感じたことは今までになかった。
これも全部、松田さんのおかげ。
みんなに“わたし”を紹介してくれた松田さんがいたからこその、とびっきりの幸せなんだよね。


