セミの鳴き声… 野球部の掛け声… 準備室独特のにおい… そして、 先生の石鹸のにおい… な…なんで? 「せ…せんせ…?」 なんで私…抱きしめられてるの? 「吉岡さんは…本当にニブいの?」 そっと優しく耳元でささやく先生… なんだか…いつもと違う… こんなに… 声低くかったかな? 「に…ニブい?」 「…福井先生に、頭触られてた」 「へ?…だから?」 「な…だから!?」 先生がいきなり大きな声をだしたから、 後ろの棚が、ガタガタと揺れた…