『ったく。玉露だか玉砕だか覚えてないけど、生意気な奴何なんだよ・・・・』
玉露でも玉砕でもなく玉斗。覚えの悪い。
玉斗にいらつきを感じながらも町を歩く。
町のあちこちには、木々や花々が植わっており清々しい町だ。
ほくと「ねぇ。クレシアのお姉ちゃん。ぼくね玉斗から聞いたんだ。‘陽天’ってどこにあるか分かる?」
ほくとが女性と立ち話をしていた。その女性はどこかレティシアに似ていた。
『レティシ・・・・―』
延ばした手が止まる。
『(レティシア・・・・
ッ・・・―あの女、目障りだ。消え・・・・ろ。)』
レティシアが言った言葉が過ぎった。
クレシア「陽天・・・・?あぁ、太陽の神を封じてるって言う宝でしょ?」
ほくと「うん!クレシアのお姉ちゃん。僕ね都市伝説覚えたよ。《太陽の神を封じている宝‘陽天’と月の神を封じている宝‘月雫’人間が触れれば神の怒りに触れるであろう》でしょ?」
優しい風が、ほくとのクリーム色の髪とクレシアのさくら色の髪を揺らした。
クレシア「覚えたんだ。凄いね。
実は、私も‘陽天’の場所は分からないんだよ。神を封じるくらいすごい宝だし・・・・」
ほくと「ぼくね。最近気がついたんだ。」
笑顔第一な程笑顔だったほくとの顔が歪んだ。
ほくと「玉斗が、玉斗の様子がちょっと違うんだ。」
クレシア「玉斗が・・・・?」
ほくと「うん・・・・なんか、優しさが無いって言うか、足りないって言うか・・・・最初は【都市伝説なんてただの出まかせ。いる訳ないじゃん?昔でも今でも。神は空想上の物さ。虚空だよ。】って関心なんてなかったんだけど、【ボクはMoon Crowより先に‘陽天’を手にいれる】って言うようになって・・・・」
『(陽天とか月雫は神を封じる宝なのは分かった。何故、玉露は太陽の神を封じる宝を欲しがる?)』
玉露じゃなくて玉斗。
『おい、ほくと。ちょっといいか?』
クレシア『貴方は・・・・?』
ほくと「この人はねムー・・・・―」
Moon Crowと言う前に口を手で塞いだ。目障りなこの女性に知られたくはない。