『朝か・・・・』
月鴉はあの後、Moon Crowに戻り、ウィンディーネを持ち去って、今に至る。その後の司令官は謂わなくとも結果は解るだろう。
両刀・小鴉を右手に持ち人気のない所で屋根からおりた。
『やっぱり屋根で寝るのは失敗だったな。』
月鴉で朝になるのを過ごす為、寝るのは殆ど屋根だ。Moon Crowで寝ればいいのに・・・・


月鴉は隣町のスケィルイズと言う町周りが霧の深い森に囲われた所に行く為、今森にいる。
『ったく、なんでこんなに霧がかかってんだよ。視界が見えないだろ・・・・』
Moon Crowになって上空から行けば手っ取り早いのだが、月鴉は、太陽がのぼっている間はMoon Crowになってはいけないと云う事を知っている。
だから月鴉で寝るのだ。
『Moon Crowになれば簡単なんだが・・・・なんで太陽が昇っている時は・・・・』
自分でもよく分からない。どうして太陽が昇っている時になってはいけないのかを。
月鴉は、月から教えてもらったのだ。
《Moon Crowは太陽が昇っている間はなってはいけない。》と。
歩いて行くが、どんどん霧が濃くなっていく。
『こっちで合ってんのか・・・――!?』
声を遮って後ろから激しい衝撃を喰らった。
『っ・・・・―
誰、だ・・・!?』
誰なのか見ようと体をたてようとするが、力が入らない。
「あたしを忘れたのかい?月鴉ぁ??」
誰だよ。と言いたいが、苦しいし目もぼやける。
『毒、か・・・?』
「正かい。正確的には、毒手と言って欲しかったね。」
―毒手?僕の知り合いには毒を使う奴なんていねぇよ。
言葉にして出せない。限界だ。


{ねぇ月鴉。―Moon Crow。いい名前でしょ?私、考えてみたんだ。Moon Crowが鴉、月鴉が人間。いいでしょ?}