一気に話し終えて鼻をすするあたしを、彼女はなにも言わずに見つめている。多少ぶっきらぼうだとしても慰めの言葉をいただけるのだろうと頭のどこかで期待していたあたしは、彼女が発した次の言葉で声を失った。
「え、それだけ?」
いまにも溢れだしそうだった涙が引っ込んだ。
無言のまま視線を返せば、聞き始めと同じく頬杖をついた格好で、真顔であたしを眺める彼女がいる。
それだけ、って。よりによって自分の誕生日に浮気された女の子に対して、それだけ……って。
このひと、いまの話ちゃんと聞いてた?
「相手はあんたと一緒にいたいって言ってるんでしょ。いいじゃない、いままで通り付き合ってれば。あんただって彼と一緒にいたいんでしょ」
そうやって彼女は平然と言ってのける。あたしはあんぐりと口を開けた。
「え、それだけ?」
いまにも溢れだしそうだった涙が引っ込んだ。
無言のまま視線を返せば、聞き始めと同じく頬杖をついた格好で、真顔であたしを眺める彼女がいる。
それだけ、って。よりによって自分の誕生日に浮気された女の子に対して、それだけ……って。
このひと、いまの話ちゃんと聞いてた?
「相手はあんたと一緒にいたいって言ってるんでしょ。いいじゃない、いままで通り付き合ってれば。あんただって彼と一緒にいたいんでしょ」
そうやって彼女は平然と言ってのける。あたしはあんぐりと口を開けた。


