その彼女とはというと、
お礼を言う前に、彼女は転校していた。
先生から聞いた話しでは、施設に引き取られたらしい。
彼女はたった一人の家族のお母さんを亡くし、引き取られたらしい。
あぁ、彼女の抱えていた「闇」はこの事だったのかと思った。
彼女は話したくても、話せないのだ。
今、彼女は何をしているだろうか。
彼女は多少強引だが、あたしの「闇」を取り除いてくれた。
でもあたしは彼女の「闇」を取り除け無かった。
ねぇ…、
あたしね、本当はずっといいたかった。
寂しいよ、側に居てよって。
君が居なかったら、
今のあたしは居ないよ。
また今度、逢えたら。
今度はあたしが君の「闇」を取り除くから。
でも、その前に言わせて。
ありがとうって…………。

